筆者は平成29年9月期の第三級海上無線通信士(三海通)試験を受験し合格しました。
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筆者の三海通攻略法を公開します。
受験を検討される方のご参考になれば幸いです。
無線工学の攻略法
筆者は以下の順序で無線従事者免許を取得して来ました。
電話級アマチュア無線技士(4アマ)
→第一級陸上特殊無線技士(一陸特)
→航空無線通信士(航空通)
徐々に無線工学のレベルアップを図り、一陸技の資格により、三海通の無線工学は免除としました。
免除としましたが、三海通の無線工学のテキストは一陸技受験前に購入しておきました。
たとえ免除でも海上無線設備の知識は、次に説明しますが法規科目で必須です。
そういう訳で工学は受験しませんでしたので、実際の難易度はわかりませんが、テキストと問題を見る限り航空通より少し難しい程度ではないかと思います。
筆者のような回り道をする時間的余裕の無い方は、通常通りテキストと過去問で勉強されれば十分合格を狙えます。
試験日直前で過去問正答率が7割を超えるように準備して下さい。
法規の攻略法
他の無線従事者資格と電波法は共通ですが、海上無線の法規は別物と考えた方が良いと思います。
試験の難易度は高くありませんが範囲が異なるので、一陸技の知識のみで試験に臨むと足元をすくわれると思います。
テキストは標準教科書の無線工学と法規を購入しました。
工学の教科書でGMDSSの仕組みやその他の無線設備を一通り把握します。
その後法規の教科書を通読し、頭に入れます。
そのあと日本無線協会のホームページから過去問をダウンロードして正答率がどれぐらいか記録しながら正解が7割を超えるようにします。
筆者は都合により今回の三海通の勉強期間は3日半しかとれませんでした。
その全てを法規に使いましたが、過去問は1.5年分しかできませんでした。
三海通で頻出事項の遭難通信等は、航空通とかなり似ています。
まず航空通を取っておくのも手です。
英語の攻略法
三海通の英語の難易度はTOEIC550点ぐらいです。
無勉強で合格するには、TOEIC600点あれば十分です。
英語対策は、別途英語の資格試験でしておくと便利です。
筆者は今回の英語対策は、過去問を試験日前夜に1年分解いただけでした。
英語試験は英会話と筆記に分かれています。
英会話は会話をするのではなく、普通のリスニング試験です。
但し7問出題され、3問以上正解できないと、筆記を含め6割(正確には105点満点中60点)を取っても不合格とされます。
英会話の点数は35点を占めるので英会話で得点するのが安全かつ効率的です。
英会話は自己採点満点でしたが、ご参考までに筆者の過去のリスニング練習方法を記載しておきます。
しかし英語の意味は分からなくても耳は鍛えられました。
中波で当時のFENも聞きました。
現在ではネットラジオで幾らでも生の英語が聞けます。
しかし通信士として考えるなら、受信機を使うのが似つかわしいと筆者は考えます。
その他、TV番組の『セサミストリート』で言っている事が全部理解できるか試したりしました。
筆者が進学した大学では、ネイティブ講師3名が付くクラスを受講しました。
うちお一人イギリス人講師の英語は最初全く聞き取れませんでした。
機会があるなら、リスニングは生身の人間の発音を聞くのが効果的です。
就職してからは、TOEIC対策を実施しました。
TOEICの公式問題集付属のCDを筆者のオーディオシステムで再生し聞き取りました。
鑑賞用の音質で再生すると発音の微妙なニュアンスまでわかるようになります。
無線機で受信するのと正反対のトレーニングです。
さらに英語の歌詞の音楽を聞きました。
同じアルバムなどを何回も聞きまくります。
ここまでやると、少なくとも単語は聞き取れるようになります。
筆者は仕事で英語を全く使わないので、今までの英語学習の全ては三海通のためにあったようなものです。
英語の筆記の攻略法は、英語の資格試験のほか法規の条約文を暗記することです。
筆記の出題の5分の1は条約を暗記すれば答えがわかります。
標準教科書の法規の日本語で条約を覚え込んで置きました。
標準教科書の英語には肝心の条約の英文が載っておらず、筆者は購入したものの一度も読みませんでした。
電気通信術の攻略法
欧文送話については、フォネティックコードをまず覚えます。
アマチュア無線経験者であったとしたら苦労はないはずです。
筆者の練習法は、道を歩きながら目につくアルファベットを唱えて見ます。
正しくスムーズに言えるようになれば十分です。
欧文受話は筆記用具を吟味します。
マークシートは別ですが、受話用紙に記入するときの筆記用具は制限がありません。
インクが滑らかなボールペンを用意すると良いと思います。
直接印刷電信は、パソコンのキーボードが打てる人は対策不要です。
試験当日の攻略法
過去記事で試験当日のレポートを書きましたので、詳細はそちらをご覧ください。
1日目→こちら
2日目→こちら
英会話については、良い解答方法を見つけました。
問題文の英語音声が流される前に問題用紙の選択肢を読む時間が3分ぐらいあります。
問題数は7問ですが、問1の選択肢を読んでおきます。
4択ですが、2から4が同じ意味の英文の選択肢があり、問題を聞く前から1が正解だとわかる場合がありました。
問題文はゆっくり2回と速く1回繰り返されます。
1回目で分からなければ、2回目3回目でも同じです。
1回目で直ぐに解答を選び次問の選択肢を読むことに集中します。
さらに問と問の間に1分間時間がありますので、選択肢を充分検討できます。
船舶に詳しくなくても通常の英語力があれば判断できる問題でした。
三海通に合格して筆者はまた見える世界が変わってきました。
次は三総通が視野に入って来そうです。
三海通を受験される方のご健闘をお祈りします。
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※攻略法のまとめ
・一陸技を取得して無線工学の免除を受けること。
・他の無線従事者資格があっても法規の勉強は3日以上すること。
・工学が免除でも工学のテキストは読んでおくこと。
・法規は試験前日の過去問正答率を7割以上とすること。
・航空無線通信士を取得しておくこと。
・英語はTOEIC600点程度を取得しておき、無勉で臨むこと。
・足切りのある英会話では満点を目指すこと。
・リスニングは無線機とオーディオ機器で修行すること。
・英語筆記対策として条約の条文を暗記すること。
・通信術送話は、目につくアルファベットを唱えること。
・通信術受話はボールペンを推奨する。
・直接印刷電信の対策は、不要。
資格のテンプレート
筆者設定の難易度 Bランク(普通)
同種資格の位置付 一総通>一海通>二海通>三海通≧四海通>一海特>二海特>三海特
筆者取得回の合格率 33.7%
合格基準 無線工学、法規ともに60%、英語58%(うち英会話43%)、電気通信術非公表
筆者の得点 無線工学免除、法規71%、英語98%、電気通信術不明
合格までの受験回数 1回
勉強期間 5日
使用テキスト数 3冊
使用過去問集数 0冊(ネット使用)
試験日の曜日 水曜日と木曜日
解答形式 マークシート方式