英語と電気通信術の一日
筆者は昨日に引続き、第三級海上無線通信士(三海通)試験を受験して来ました。
2日目の受験科目は午前が英語で午後が電気通信術です。
電気通信術の実施日ですが、試験案内によれば9/4から9/14の間の指定する日とされていますが、筆者の知り得る限り英語のある日の午後に指定されます。
どういう人が別の日を指定されるのか、筆者にはわかりません。
筆者は航空無線通信士(航空通)を取得済みで、英語と電気通信術の経験がありました。
しかし電気通信術は名前は同じですが、一部内容が違いました。
そこも含めて報告させていただきます。
英語の肝は英会話
今回の三海通の対策時間は3.5日しか無く、その全てを1日目の法規対策に充てたため、英語の対策は試験前夜の一夜漬けとなりました。
過去問を1年分やっただけで試験に臨みました。
筆者は無線通信士の英語試験の難易度をTOEIC550点程度と踏んでいます。
筆者の英語力は現在600点ぐらいはあるだろうと考えそれ以上は対策しませんでした。
無線通信士試験の英語は英会話・英文解釈・和文英訳と称して実施されます。
これらは、普通に言うと、リスニングと長文問題と穴埋め問題のことです。
英語は105点満点で60点以上で合格です。
注意が必要なのは、英会話が7問で配点が35点ある上、英会話の得点が15点に満たない場合(正解2問以下)は問答無用で英語不合格とされることです。
筆者は可能な限り英会話で満点を取る作戦としました。
実際の試験は英会話から始まります。
音声は航空通の時と同じネイティブ(?)と思われるおじさんでした。
この方の英語は標準的なのですが、どこか独特なところがあります。
前回は多少面食らいました。
また音源はCDですが、試験室のスピーカーは口径約12cmのシングルコーンでスピーカーボックスも小さいです。
音質は無線機よりやや良い程度で、自宅で聞くCDラジカセの音質に及びません。
今日の結果は、7問中明確に聞き取れたもの2問、やや曖昧なもの3問、ほとんど曖昧なもの2問に終わりました。
長文問題・穴埋め問題とも難易度は予想通りのレベルでした。
航空通より英会話はやや難しく、筆記はやや簡単に感じました。
全体としては同レベルと言っていいと思われました。
昼休み
昼休みは、近くにあるトリトンスクエアでランチにしました。
道すがら、午後の電気通信術対策を始めました。
電気通信術にはフォネティックコードによる送話と受話などがあります。
フォネティックとは、ABCをアルファ、ブラボー、チャーリーと伝送する手法です。
目につくアルファベットをTritonならタンゴ、ロメオ、インディア、タンゴ、オスカー、ノベンバーと心の中で唱えながら歩きました。
筆者はアマチュア無線の経験があるので、10分もすれば一通り言えるようになりました。
但し、法令外の癖が出そうになり、修正には少々苦労しました。
電気通信術受話
午後1時に受験者一斉に受話試験が開始されます。
アルファ、ブラボーをABと変換して記入する試験です。
注意が必要なのは、開始時刻の15分前に試験説明が始まり、即マークシートが配られ受験番号、名前、生年月日のみ記入を指示され、試験開始時刻前までに回収されることです。
これをしないと、受話の試験は事実上失格と思われます。
マークシートの記入はHBまたはBの鉛筆で行います。
筆者を始め複数の人がシャープペンを使用しましたが、特にお咎めはありませんでした。
書き取りはアルファベットの大文字でも小文字でも混ぜても構わないとのことです。
筆記体でも構わないとの説明でしたが、筆者はブロック体大文字としました。
フレンドリーな試験官が若い受験者に採点基準の一部を説明していました。
①訂正は3文字で-1点。
②誤記は1文字で-3点。
③あやふやなら、何も書かないのが良い。余計な斜線等は引かない。
とのことです。
マイナス何点になれば不合格かは明かされませんでした。
音量テストの後、日本人男性の声で書き取りスタートです。
筆記用具は何でも可です。
筆者は前回航空通で鉛筆の芯が折れた失敗を踏まえ、ボールペンにしました。
前回と同じスピードのはずですが、速いです。
途中3回ついて行けなくなりそうになり、その都度訂正、空白を発生させました。
これは失敗したかもしれないと筆者は思いました。
受話は自己採点が出来ないので、合否発表を待つしかありません。
直接印刷電信
これはパソコンで制限時間内にアルファベットを入力する試験です。
航空通には無い試験項目です。
送話試験の後、順番に呼ばれ試験官の横で一対一で入力します。
本番前に限り練習文を練習することと試験官に不明点を質問できます。
入力を誤ると電子音がして正しい文字が入力されるまで進まなくなります。
入力文は意味のある電文でした。
アルファベット、数字のほか、リターン、スペース、カンマ、ピリオドを入力しました。
エラーを出しても減点がないので、気にせず入力し5分の制限時間内に余裕で打ち終わりました。
試験官から「時間内です。」と言われ、筆者は合格の模様です。
普段PCをローマ字入力している方なら、試験対策は全く不要と言えます。
電気通信術送話
直接印刷電信は終了したら廊下に出されそのまま隣室で送話試験です。
試験官と面と向かって、今度はアルファベットをフォネティックに変換して発音します。
席に着くと「所定の方法で読み上げて下さい」と指示されました。
「所定の方法」ですが、今日は説明がなかった気がします。
具体的には、開始時に「始めます 本文」、終了時に「終わり」と言うことなのですが、どこかに掲示されていたのでしょうか。
筆者は航空通の時の経験から知っていましたが、解りません。
ともかく一通り読み上げ終了しました。
試験官から「減点なし。時間も1分30秒で速い。但し、5文字づつ区切って読み上げるようにするとなお良い」と指導を受けました。
筆者は一箇所ちょっと詰りましたが、減点まではされませんでした。
筆者は送話は合格の模様です。
まとめ
筆者は今回で5つ目の無線従事者試験となりました。
今まで余り意識しませんでしたが、試験実施機関は検定と指導を一体として実施していることが解りました。
合否に関わらず、更に技量の向上を目指せという事と筆者は理解しました。
この意味で、会場の江間忠ビルは無線従事者にとって巡礼すべき聖地だし、自分を鍛える道場だと筆者には思われました。