年収130万円で労働抑制なのか
令和5年10月14日日経新聞朝刊の「マネーのまなび」で130万円の壁問題が特集されました。
論旨としては、「手取り減を恐れて年末の労働抑制する人は誤解している。保障が手厚くなるから得だ。但し週労働時間が30時間で年収130万円以上になると一方的に損をする」
と言うものです。
記事中で国民年金「保険」などと誤った事を言っている記事ですが、私見を述べてみたいと思います。
130万円の壁問題とは
記事では106万円の壁なども解説されていますが、ここでは130万円に絞ります。
130万円の壁の対象となる人を参考書から拾うと以下の通りです。
①年齢20歳以上60歳未満の労働者
②課税年収(残業代込み)130万円未満
③企業規模等に関わらず厚生年金保険に加入していない
国民年金第3号被保険者と言い切りたいところですが、健康保険で配偶者でない被扶養者(国民年金第1号)の人もあり得ます。
とりあえず、健康保険の被扶養者と言っておきます。
次に被扶養者が130万円を超えると、今まで負担の無かった健康保険料が発生します。
厚生年金に強制加入となり、新たに保険料負担が発生し、国民年金第1号だった人だけは、その分負担は減ります。
概ね負担が増え、手取りが減ってしまうことになるようです。
真の理由は手取りより扶養から外れること
目先の手取り減は、増税や保険料増加でも起こり得ます。
手取りが減るなら、一般的には労働時間を延ばすなどして補う以外方法は無いです。
労働時間を制限してまで130万円を回避するのは、手取りより他の理由がありそうです。
理由は扶養外れだと思われます。
自営業夫婦と比べサラリーマン家庭の数少ないメリットは①健康保険の被扶養者と②厚生年金加入で国民年金の負担がないことです。
①については、国民健康保険も世帯単位の加入ですから、余り差はないかも知れません。
そうすると、健康保険組合の付加給付がメリットでしょうか。
②について歴史的に厚生年金単独で運営していたところ、1階部分を国民年金に乗っ取られたのが経緯です。
以上①②のメリットを放棄させられるのは、手取り減よりインパクトがあると思います。
解決策
端的に言えば健康保険の扶養基準額130万円を時代に即して増額するのが良いと思います。
永く続いたデフレが終焉を迎えつつあり、年収130万円では到底生活出来ないことを考慮すべきだと思います。
*社労士受験勉強中のため、後日記事の誤りに気がついた場合、大幅訂正または削除することがあります。ご了承ください。