資金繰りは死活問題
企業で最も重要なのは、資金繰り管理です。
何故なら、支払うべき時に支払う資金がないと企業は破綻してしまうからです。
実際には、支払いをジャンプしたり、公租公課を滞納、人件費の遅配等々で一時的に存続できるかもしれませんが、何れ信用問題を発生させ、事業継続を困難にします。
資金繰りは中小企業の死命を制すと言ってよいと思います。
滅多に出題されない
これほど重要な知識でありながら、中小企業診断士試験には滅多に出題されません。
前回出題されたのは平成24年だったようです。
この理由はよくわかりません。
多分今年も出ないでしょうから、診断士受験者の方でお急ぎの方は読み飛ばしていただければと思います。
資金繰りの見方
①実績より予定
明日以降、事業が決済不能に陥らないために作るのですから、資金繰り実績表より予定表の方が重要です。
②経常外収支より経常収支
経常収支とは本業による売上入金と原価・経費支出の差を言います。
経常外とは、最も単純化すれば借入金と返済金の差額です。
本業収支が赤字でも、借入金を増やし続けられれば、永久に破綻しません。
実際は借入限度がありますから、経常収支が黒字であることが重要です。
③損益より現金
資金繰り表はあくまで現金ベースの入金と支払が記載されます。
このため、どんなに多額の売上が立ち、利益率が高くて、損益計算書の営業利益が黒字でも売上が掛けで仕入れ決済代金が先行流出すると資金不足を来します。
いわゆる「勘定合って銭足らず」です。
診断士実務には必要
筆者は企業内診断士としての活動ですが、診断士の実務には資金繰りの理解は必要です。
実際先輩診断士からも、クライアントから資金繰り表作成を依頼されたとのお話も聞きました。
コツをつかめば作成は難しくはありません。
診断士を目指される方は、余裕のある時に資金繰り表の作成と資金繰り分析も勉強されておくと良いです。