診断士2次試験は質が異なる
前回記事では、中小企業診断士1次試験を中心に通らなかった人の特徴をまとめました。
今回は2次を通らなかった方の特徴をまとめてみました。
診断士の2次試験は、1次試験と内容や方向性が大きく異なります。
1次を通過したのに2次で結果を出せない人の特徴をまとめてみました。
最近の診断士の合格率は1次30%、2次20%程度です。
ですから、2次不合格者の割合は、1次受験者を100とすると、100×30%×80%=24にしかなりません。
1次不合格者は70に相当しますから、診断士不合格者に占める割合は低いです。
まず1次を通過することが、2次を通過するために最も重要です。
1次は通過できる知識レベルにあるのに2次を通過出来ない要因は、以下の通りです。
①1次の知識の延長線上に2次があると誤解している
1次試験7科目の知識は重要ではありますが、その知識だけで2次の解答が書けるわけではありません。
知識はあくまで道具です。
2次では問題文の範囲内で自分の言いたいことを表現する試験です。
つまり問題文を読んで導きだした自分の主張をある程度ベースにしないと合格できません。
知識は自分の主張に客観性を持たせ、解りやすくするために使うべきです。
つまり、問いに対して自分なりの判断をし、述べるべき考えを持っていなくてはなりません。
1次の知識をどんなに深めてもそれだけでは、2次に合格することは無いと思います。
②正解がないことに対処できない
2次は模範解答が公表されない試験です。
正解がない問題に正解させる術を知らないと通過することは困難です。
どう考えるかといえば、正解は複数あるということです。
ですから、自分の考えを持ち、自分の分析をし、自分の解答を記載し、全体として筋は通っているのが基本になると思います。
評点は、その後についてくるものです。
合格者の数だけメソッドがあるとは2次試験にのみ言えることです。
この辺がわかっていないと、不安感から資格業者のもとへ走ったり、過去の他人の解答と比較することに汲々とすることになります。
経営を学ぶ前に禅を学んだほうが良いのかもしれません。
③初見問題に弱い
本試験での出題は、いつも初見です。
初見での得点力が6割以上なければ、通過できないのは当然です。
過去問を繰り返しすぎると寧ろ初めて見る問題への対処力が麻痺してくる気がします。
常にぶっつけ本番の解答で勝負しないとなりません。
過去問は1回のみとし、自分の解答を検証するのことを重視するのが理想です。
④語彙力・中小企業用語力の不足
2次は国語問題だとおっしゃる方がいらっしゃいます。
筆者はその立場はとりませんが、最低限の語彙力は必要です。
ネット上では、例えば平成30年の出題の「名刹・古刹」の意味が解らなかったとの感想がありました。
この観光資源を活かせなければ、かなり失点すると思わなくてはなりません。
問題文に国語として意味の分からない単語があるようでしたら、ハードルは高いと言えます。
また、中小企業指導(支援)業界用語の習得も実は必要です。
支援実務家の書いたものを読んだり、可能なら実務に身を置くと良いと思います。
この手の話はふぞろい などの参考書には出て来ないと思います。
ある受験者の書いたものを読んだ時、この辺をわきまえていないと思えるような場合は、受かっていない気がします。
⑤記憶能力だけに頼る
筆者は取得していませんが、社労士や行政書士のように記憶量が多く、難易度が高い試験に通るほど記憶能力が高くても、診断士は別物です。
経営者に助言するためには、机上の知識だけでは対処不能だと思います。
中小企業の経営の現場を知る機会が絶対に欠かせません。
仕事上中小企業と接点があるとか、家業があるなど何らかの方法を探すべきだと思います。
⑥経済産業省万歳が不足している
加えて精神性のようなものが不足していたのかも知れません。
診断士の主務官庁は経産省です。
少なくともその施策や方針に反することを言っていてはマイナスです。
この辺何を言っているのか理解されている方は合格に近いです。
骨の髄まで経産省に染まるのが理想かも知れません。
心の中で「ロカベン万歳」と何度も唱えてみましょう。