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事業再生士補試験攻略法

筆者は令和5年11月事業再生士補(ATP)を受験し、合格しました。

合格の為の攻略法を公開させていただきます。
これから受験される方のご参考になれば幸いです。
 

事業再生士補とは

事業再生(ターンアラウンド)の中級レベルの資格です。
日本ターンアラウンド・マネジメント協会が実施する民間資格で、再生業界のマイナー資格となっています。
資格略称のATPは、アシスタント・ターンアラウンド・プロフェッショナルを意味します。
この資格を取得するメリットは、事業再生の知識がある証明と言うか事業再生に関心がある証明になることだと思います。
試験科目は経営、法律、会計財務の3科目で、科目合格制、科目合格の有効期限はありません。
保有資格により、科目免除制度があります。
例えば、中小企業診断士の資格で「経営」が免除となりました。
 

難易度

以下の種々の理由で難易度は高いです。
①試験会場が全国で2か所(東京・神戸)
筆者はたまたま都内在住ですが、遠隔地の方は、これだけで難易度が上がってしまいます。
②妥当なテキスト及び問題集がない
マイナー資格の為、定番のテキストがありません。
また、試験実施団体で公表しているのが過去問のみで正答の公表がありません。
この為、試験準備が極めて苦しいものになります。
過去問の5択の選択肢のどれが正答か、ありあわせの参考書やネット検索でいちいち確定しなければなりません。
一部メルカリなどで、出所不明な過去問解説ペーパーが法外な値段で出品されていましたが、手を出しませんでした。
正答が公表されている試験と比べ、非常に効率が悪いです。
③試験問題持ち帰り禁止
問題持ち帰りが出来ないので、自己採点による自分の実力把握が出来ません。
合格ラインとの比較が困難で、難易度を上げていると思われます。
④受験資格の存在
受験資格として、次に述べる認定研修終了か事業再生アドバイザー(TAA)の取得が必要です。
以上まとめると、試験問題のレベル以上に難易度は高い試験です。
 

受験資格

この資格の難点は、1科目4,400円という割高な受験料と受験資格が認定研修終了というものです。

認定研修は、筆者が調べたTACの場合3科目で59,000円もします。

受験資格を得る別の方法として、事業再生アドバイザー(TAA)資格の取得があります。

こちらの方が金銭的負担が少ないので、お勧めです。

 

テキストをかき集める

①経営
免除により受験していませんが、中小企業診断士の1次試験のテキストが適当です。
中でも企業経営理論は必須だと思います。
診断士の1次試験は7科目もありますが、全科目から薄く出題されているようで、厳しいところです。

ニュー・クイックマスター 1 経済学・経済政策 (2024年版) (中小企業診断士試験ニュー・クイックマスター 1)

 

ニュー・クイックマスター 2 財務・会計 (2024年版) (中小企業診断士試験ニュー・クイックマスター)

ニュー・クイックマスター 3 企業経営理論 (2024年版) (中小企業診断士試験ニュー・クイックマスター)

 

ニュー・クイックマスター 5 経営法務 (2024年版) (中小企業診断士試験ニュー・クイックマスター)

ニュー・クイックマスター 6 経営情報システム (2024年版) (中小企業診断士試験ニュー・クイックマスター 6)

*現在Amazonから画像引用可能なテキストのみ掲載しました。
 
②法律
ビジネス実務法務検定2級の倒産法部分のテキストと診断士1次の経営法務のテキストを使用しました。
テキストだけでは不足で、ネット検索を多用しました。

ビジネス実務法務検定試験Ⓡ2級公式テキスト〈2023年度版〉

 
③会計財務
簿記3級と2級の知識をベースに診断士1次財務会計のテキストを使用しました。
1回目の受験で不合格となってしまったので、不足部分をネット検索で補い、2回目でやっと合格出来ました。
 

勉強時間

1科目免除及び1回不合格ですが、トータルで50時間位だったと思います。
中小企業診断士1次合格レベルの知識があればこの程度だと思います。
 

攻略法

妥当なテキストが存在しないため、いきなりこの資格を受験するのは非効率です。
他の資格を取得して、プラスアルファとして取得するのがベストです。
中小企業診断士が最適ですが、少なくとも診断士1次レベルと日商簿記2級、ビジネス実務法務検定2級の程度の知識がベースとなります。
また、基礎資格としてターンアラウンドアドバイザーも勧めることが出来ます。
当然事業再生特有の論点も出題されますが、過去問の選択肢をネット上で検索する以外に有効な方法は見つかりませんでした。
 
 
※攻略のまとめ
・ターンアラウンドアドバイザー、日商簿記2級、ビジネス実務法務検定2級、中小企業診断士を取得しておくこと。
・過去問の選択肢を徹底的にネットで調べること。

 

 
 
 
資格のテンプレート 
筆者設定の難易度    Aランク(難関の下位)
同種資格の位置付    事業再生士>事業再生士補>事業再生アドバイザー
筆者取得回の合格率 53%
合格基準                   60点
筆者の得点               経営:科目免除 法律および会計財務:非公表
合格までの受験回数 2回
勉強期間                 13ヵ月
使用テキスト数        3冊
使用過去問集数        なし
試験日の曜日           日曜日
解答形式                  記号記述式