診断士試験の易化提言
11月11日の東洋経済で、診断士の試験「易化」提言がなされたとの記事が掲載されました。
記事によれば、10/6の経済財政諮問会議で新浪剛史議員(サントリー・ホールディングス社長)が中小企業診断士増加の為、「たいへん難易度が高い」試験を変更し「税理士のように何科目か合格したら資格を与えるよう」(?)提言されたそうです。
一部記事の意味が不明な点はありますが、新浪氏の趣旨は以下のようです。
①定年前倒し・職業訓練の充実・中小企業診断士などの資格の見直しの3点セットによる人的資源の活性化
②日本ではMBAが普及しないので、ビジネスリーダー養成の手段として中小企業診断士制度を活用する
1次試験は最早簡単
令和2年度の1次試験は、合格率が前代未聞の42.5%と超易化しています。
但し、今年の1次試験は7月でしたから、当然この提言の影響はないはずです。
新浪氏は1次7科目が科目数として多く、難易度が高すぎると考えているようです。
しかし、科目は多くても合格率から最早難関とは言えず、むしろ広く浅い常識が身につくレベルだと思われます。
記事にあるように、中小企業庁は1次合格者を増加させ、養成機関の数を増やし、診断士登録者の増加を狙っているのではないでしょうか。
養成課程を修了できれば、診断士としての基礎的技量は、2次合格者で実務補習15日間修了者を上回ることが想定できます。
これはこれで一つの考え方だろうと思います。
2次試験は易化させないでほしい
問題は3百万円前後とも聞く、養成課程の高額費用だと思います。
筆者のように資金的余裕のない者に対して、2次試験の選択肢は現状通り維持してほしいと思っています。
養成課程修了者と遜色のない知識証明として、2次試験の難易度レベルは落としてはならないと考えます。
診断士資格は、MBAと内容的には近似したところもありますが、決定的に違うのは、大学院に入学しなくて済むことです。
働きながら独学で勉強するなら、MBAは適合しません。
難関と言われる2次試験を独力で突破することにMBAを超える意味があると思います。
何れにしても、特に地方において診断士は不足していることが想定されています。
今、診断士が求められていることは間違いありません。
↓当該ニュース記事にリンクを張りますが、リンク切れとなったら東洋経済の原記事をご覧下さい。
「食えない中小企業診断士」がこれから増加する理由 - ニュース・コラム - Yahoo!ファイナンス
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