日経よ本当か
日経は朝刊で、政府系金融機関の4〜9月のコロナ関連融資は15兆円と報じました。
一方11/3の記事では、政府系+民間銀行の融資純増額は30兆円以上としています。
これらが本当だとすると、とんでもない結論が導かれます。
解説してみます。
民間銀行のプロパー貸純減
全国信用保証協会連合会のホームページによると、同時期の保証残高の純増額は17兆円と読み取れます。
これを統合すると以下の通りです。
政府系貸出 15兆円
保証付き 17兆円
民間銀行プロパー ▲2兆円
合計 30兆円
民間銀行は、保証協会付きは貸したが、プロパーは回収したことになります。
民間銀行に危機対応なし
これから判明することは、民間銀行はコロナ危機に乗じてプロパーを剥がしたという事です。
危機において残高維持という矜持はなかったようです。
民間銀行では、独力の危機対応は全体では無かったのではないでしょうか。
日経記事でも大手銀行幹部が「大胆な政策対応がなければ、とんでもないことになり得た」と言っています。
中小企業を殺す気ですか
信用保証協会は保証の一部を日本政策金融公庫に再保険しているので、政府系機関です。
今回の危機では、全て政府系機関が支えたとの結論になります。
従前政府系機関の業務縮小や完全民営化を無責任に唱えた日本総研や一部の経済評論家に怒りを禁じ得ません。
もう少し中小企業の立場に立って考察して欲しいものです。
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