資金繰り逼迫
中小企業の資金繰りは窮迫の度を増しています。
一方新聞紙上では、毎日のように解説すべき記事が報道されています。
本日日経朝刊の記事を解説します。
日経記事解説
「地域金融機関は」「日本公庫の窓口を紹介するだけでお茶を濁しているのではないか」と「金融当局の内部ではいらだつ声もある」
→地域金融機関ばかりでなく、メガ3行も同様ではないでしょうか。
「地銀が無利子融資」「都道府県の制度融資のしくみを活用する」
→筆者が危惧していたように、信用保証協会の保証を付けた県(都)制度融資の模様です。
保証付きの限度
地銀をはじめとした地域金融機関は、近年の低金利=低利ザヤ時代を経てプロパー融資でリスクを取る余力が少ないようです。
現下の中小企業の危機にあって、保証協会の保証によりかかってでも資金を出してほしいところです。
制度詳細は不明ですが、保証協会付きだと残枠の問題が付きまといます。
保証協会未利用先ばかりではないはずです。
おまけに現在信用保証協会の窓口および事務は猛烈に混んでいます。
保証協会と銀行の合体
もし保証協会と銀行を合体した制度にしたとすれば、銀行自身が保証の判断が出来、融資が円滑になり、かつ、信用保証協会の負担が軽減されます。
それを可能とするのが損害担保を活用した危機対応業務です。(下図右列)
信用保証を利用した民間銀行の融資(左列)も詰まるところ日本公庫に一部再保険をしています。
ならば、銀行に政府保証の権限を与え、独自の審査で保証を付けるのが迅速です。
これを実現するのが、損害担保制度です。
国の保証を自行判断で付けるのですから、銀行の責任は重大になります。
民間開放したはずだった
制度開始当初から、政府系2行庫のほかに民間銀行でも指定を受ければ参入できました。
ところが、現在まで1行も手を上げていません。
この理由は色々考えられますが、①損害担保割合が50%~80%となっており全額ではないこと②保証協会が公庫に対して行っている手続きと同等の複雑な手続きがあることが主な理由だと思います。
今からでも名乗りを上げて、地域の中小企業に資金支援をしていただきたいものです。
しかし今回の危機には間に合わないかもしれませんね。
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