金融調達が死命を制する
資金繰りが厳しい中小企業は、資金調達に失敗すると破綻する可能性があります。
昭和の時代においては長らく借入を求める企業が多く、融資する銀行が少ない状況が続いたので、銀行優位でした。
ところが、平成の金融緩和と低金利時代に突入してからは、一部の優良な企業に融資のオファーが集中し、調達困難な企業の状況はあまり改善していないように感じます。
銀行は低金利で利ザヤが縮小しているので、貸し倒れリスクに敏感になるのはやむを得ません。
融資は返済を要する
株主からの資本調達とは異なり、借入は返済することが前提です。
銀行ばかりでなく、貸主に対しては「今は資金が必要で返せませんが、将来返します。」と言って借りることになります。
困ったことに、事業の将来は不確実で、すべてが上手くゆくわけではありません。
騙したと言われないためには、事業計画を十分審査してくれとでも付け加えないとならないでしょう。
公判傍聴からわかるもの
詐欺などの刑事事件の法廷はだれでも傍聴できます。
公判を傍聴すると、最初から騙すつもりで融資を申し込んだとしか思えない被告人が多いように感じます。
逮捕・起訴される程の被告人であれば、被害弁償は不可能な状況に陥っていることが多く、有罪率は100%に近い水準です。
騙された貸主も多少悪いのでしょうが、貸し倒れがその応報となります。
これでは、貸主の事業の困難性が増します。
診断士の役割
中小企業診断士が出来ることは、事業計画および弁済計画の作成を支援することだとおもいます。
第一に貸主借主間に中立で妥当な弁済の基準を助言し、事業計画の実現可能性を高める方法をアドバイスしたいものです。
騙してでも調達したい一部の経営者に対しても、資金繰難に陥る前に助言すべきことは多いはずです。
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