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診断士試験申込者が見たスルガ銀行シェアハウス事件

スルガ銀行シェアハウス事件 
筆者は平成30年度中小企業診断士試験を申し込んでいます。
本日の日経朝刊でスルガ銀行のシェアハウス融資の不正が報道されていました。
同行は高リスクに見合った金利設定で高収益を上げ、官庁からも褒められていたとのこと。
また、この尻馬に乗って褒めそやした人もいたようです。
リスクに見合った金利設定がどういうものかビジネスモデルで検証してみました。
 
融資モデルの構造 
銀行の融資モデルを単純化し、期間1年の期限一括弁済の融資のみとします。
経費率は、仮に1%とし、資金調達コストを1%とします。
1年後に全債権が破綻する場合、必要な金利は元本全額を金利でカバーしなくてはならないので、年利100+1+1=102%以上必要となります。
(上限金利は無視しておきます)
もし事業計画が完璧で、必ず資金回収が図れるならば、0+1+1=2%以上で可です。
事業計画の確度が90%→金利12%、80%→金利22%となります。
 
保全としての担保 
報道やネットのニュースによれば、シャアハウスの土地建物に担保設定されていたようで、しかし融資額は不動産の時価を上回っていたようです。
水増部分や競売減価を50%とし、保全50%として上記のモデルを修正してみます。
ロス見込が保全により半分となりますから、事業計画の確度100%→2%(変わらず)、90%→7%、80%→12%となるはずです。
同行の金利は7%程度との情報があります。
これをそのまま当てはめると、事業計画の確度が90%であれば適正金利との結論です。
もちろん貸し出し期間は1年超でしょうが、無視した前提です。
事業計画が絶対大丈夫だろうとの判断は出来たとしても、90%大丈夫とか80%との判断は中々出来ないと筆者は思います。
報道によると、立地条件は良くないものがあり、結果として事業の確度は9割に及ばなかったと見て良いようです。
 
審査資料の不正も取り沙汰されていますが、要は中リスクの判断など出来なかったということだと 思います。
家賃保証会社の破綻 
今回のケースでは、高額の家賃保証が付けられていたようです。
筆者の考えによれば、保証会社の保証履行確率の判断は、賃貸物件の投資判断よりはるかに難しいと思います。
借主の個人達は家賃保証会社が有ったから1億もの借り入れを背負ったのでしょう。
借主は保証会社の履行力を判断すべきでした。
そのような能力を個人で身に付けるのは容易ではありません。
もし筆者が借りるならば、中小企業診断士の勉強をしてからにします。
 
 
 
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