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政投銀に味方したくなった

日産に政府保証

本日の日経朝刊に日本政策投資銀行(政投銀)が日産に事実上の政府保証をつけたと難じる記事が掲載されました。

日頃拙ブログでは、中小企業に貸さない政投銀を批判しているのですが、この記事での虐めを目にし、少々擁護したくなりました。

一方驚いたのは、危機対応業務のほぼ正確な記述です。

「公庫の保証」という用語は不正確ですが、日経にしてはよくできました。

以下「 」内は記事の引用です。

下請企業を忘れるな

日本政策投資銀行による」「日産自動車」への融資は「事実上の政府保証が付いていた事が判明した」

→危機対応業務で損害担保を付したのでしょう。8割の間接的な政府保証を付す制度になっています。危機にあって危機対応業務を行うのは指定された金融機関の責務です。

「雇用の受け皿となっていることや下請企業の裾野の広がりといった要件がある」

→日経もわかっているではありませんか。大企業には多くの下請企業と従業員、その家族がいることを忘れてはならないと思います。

「大企業では日産1件のみだ」

→同じ制度で何倍も中小企業に融資されています。間接的な政府保証が悪いなら、日経は中小企業への融資も否定するのでしょうか。

政投銀に任せている

日経の記事には、欠けている視点があります。

国民は政投銀に政府保証をつけるか否かの判断を任せる仕組みとなっていることです。

下図において日本公庫の承諾を得ることなく指定金融機関の判断で保証を付けられます。

ここが民間銀行が保証協会の保証承諾を得る仕組みと異なる所です。

危機にあって迅速に融資する目的です。

政投銀は自行のみで事実上の政府保証をつけることができます。

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また出た政府系縮小論

政府系金融機関の役割は当初想定したより拡大する可能性がある」

→誰が新型コロナ影響を当初想定したと言うのでしょうか。

想定不能の危機に対応するのが本来の目的です。

「制度自体の透明性も問われる」

→金融機関の個別審査を公開できるわけもなく、監督は政府と国会がするべきでしょう。

民間銀行が指定金融機関に参入する方法もあります。

日経はどうしろと言うのか理解ができません。

 

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