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オーディオに栄光あれ【クリスキット信仰宣言】

最近の記事で、電験三種受験対策として電源装置や電動機を製作しました。

筆者は過去にオーディオアンプ作成を趣味としていました。

受験対策により、遠ざけていたオーディオ機器にかかる趣味の封印が解けてしまいました。

そこで、今回筆者の使用しているオーディオ装置を紹介します。

紹介したいのは、装置の音質でも、構成でも、値段でもなく、販売していた方の理念です。


1.クリスキットとは

筆者が30年来使用しているオーディオアンプのキットです。

最初の購入当時、プリアンプ(電圧増幅部)とパワーアンプ(電力増幅部)合計で15万円位でした。

キットですから、自分で組み立てる必要がありました。

神戸の中小企業主(故人)が開発され販売されたセットです。

残念ながら、現在は販売終了となっています。


2.クリスキット信者となる資格

販売されていた方は、「自分の理念を共有できないなら、買うな。」と公言されていた方でした。

つまり、この装置で音を出す者はその理念を信奉することが必要で、使い続ける限り異を唱えることは許されず、その理念を礼讃し続けなければなりません。

以下は信奉すべきその方の理念を筆者がまとめた「十戒」です。( )内は筆者の解説です。

なお、その方の著書の内容と筆者が聴いた講演内容から大幅に意訳したものです。


3.クリスキット使用者「十戒

A  アンプの天板を手で叩いて見よ。振動で音は変わらない。

(やってみましたが、確かにかわりません。)

B  アンプのケースを高級にしても、音が良くなる訳ではない。

(中身の回路の問題ですから。)

C  欧米の高額アンプの蓋を開けて部品を見てみろ。驚くほど安物部品が使用されている。

(筆者は、欧米高級アンプを使用したことがないので、なんとも言えません。)

D  メーカー製のアンプは買うな。広告宣伝費と労務費を支払う事になる。

(キットですから、組立工賃と製造物責任は自己負担です。)

E  君は原価50銭の抵抗器を通して、良い音が聞けると思うのか。

(大手メーカーが銭単位のコストダウンを行っているのに比べ、使用抵抗器は、すべて1/2W以上で、1本30円程度のものが使用されています。熱雑音は低そうです。)

F  日本のトランジスターの品質は世界最高だ。日本製部品でアンプを作れば最高の音質になる。

(筆者購入当時は、そう言えたと思います。)

G  DCアンプでスピーカー電圧がドリフトするようなら、スピーカーは自由に振動できず、音が良い訳ない。

(専門的になるので、詳細な説明は省きます。クリスキットは入力電圧が0vなら出力も0vなのは良いことです。)

H  FET(電界効果トランジスタ)の使用は、認められない。

(当時FETは世に出て間がなかったのと、動作原理が違いますが、筆者には理由はわかりません。)

I  製造が停まった真空管式アンプを使うのは、現代に蒸気機関車を走らせるようなもの。

(蒸気機関車も旅情があってカッコいいなどという発言は禁じられています。)

J  オーディオマニアは、嫌いだ。

(客を客とも思わないお言葉です。)


4.聖なるクリスキット復活の日

それでも筆者は、クリスキットの澄んだ音が聴き易いので、使用を続けています。
完全オリジナル部品で使用していますが、少々電解コンデンサがへたって来ています。
しかし最近のものに交換すれば当初の音が復活するようです。
トランジスタや抵抗器はあまり劣化するとは思えません。
更新作業も将来の楽しみです。

https://qualification.blogmura.com/state/ranking.html



※参考文献
ステレオ装置の合理的なまとめ方と作り方  桝谷英哉著  大盛堂書店
オーディオ・マニアが頼りにする本(1~3巻)  桝谷英哉著 青年書館