筆者は平成26年2月期実施の航空無線通信士試験を受験し、一回で合格しました。
筆者の体験から得た、航空無線通信士攻略法を公開します。
1.筆者の取得目的
陸上無線技術士を目指す為の前段として受験しました。
陸上無線技術士試験の出題範囲には、航空無線分野が含まれています。
また、将来総合無線通信士を狙う為の入門資格として最適とも思われました。
2.無線機を体験する
プロ・アマを問わず、通信士の基本は、受信です。
航空バンドに限りませんが、AM・FM・SSB波の受信を一度は体験しておく事が必要と思われます。
受信機付属のスケルチなどの機能も確認しておくことをおすすめします。
アマチュア無線局を運用した経験があれば、更に良いです。
実際の航空機搭載の無線設備を見学することも有効です。
航空業界以外の一般人が航空無線設備を間近で見る方法は、二つあります。
一つは、退役した航空機を博物館などで見る事です。
場合によっては、スイッチなどを操作することも可能ですが、現役でないので臨場感に欠ける事が難点です。
もう一つは、航空会社各社が実施している整備工場見学会に参加することです。
筆者が見学した時には、運良くB737が気象レーダーのアンテナを整備中で見る事が出来ました。
3.テキストを購入する
単に合格する為でしたら、書店で適宜のテキストを購入すれば充分です。
筆者は、既に第一級陸上特殊無線技士の資格を取得していましたので、過去問だけでも可と思われました。
しかし、敢えて情報通信振興会の標準教科書「無線工学」「法規」「英語」「英語簡易辞書」の4冊を購入しました。
今後、難関無線従事者資格を狙う目的から、試験実施機関の意図を把握する為です。
4.科目別対策
A無線工学および法規
テキストを一読したら、過去問を解きます。
過去問は、日本無線協会のサイトからダウンロード出来ます。
過去問の正答率が7割超となるまで進めます。
B電気通信術
送話と受話がありますが、まずはフォネティックコードを暗記します。
筆者のようなアマチュア無線の経験者は、法令外のくせが出ないよう修正が必要です。
街を歩きながら、目につくアルファベットを唱えてみて、正しく円滑に言えるようになれば送話は完成です。
筆者は、送話試験の途中で焦り、スピードを加速して減点されてしまいました。
落ち着いて、同じペースで言うことが肝心です。
受話については、アルファベットを速く書く練習が必要です。
受験当日の試験官の説明では、筆記用具は何でも良いとのこと。
ゲルインキのボールペンを持参していないことを後悔しました。
筆者は、書く練習をせず、エンピツで受話試験に臨みました。
最後の4文字でエンピツの芯が折れ、3文字誤りましたが、修正する時間は一切ありませんでした。
C英語
英語の対策(特にリスニング)に苦労される方も多いようです。
実際英語の試験時間には、受験者が増えます。科目合格者がとりこぼしを再受験
されていると想像されました。
航空無線通信士の英語の難易度は、英会話(リスニング)を含め、TOEIC600点位です。
英検ですと2級程度でしょうか。
英語力が上記レベルであれば、対策は不要です。
筆者は、念の為、購入したテキストを斜め読みして試験に臨みました。
英語力がそこまで至らないかたは、まず英語の資格試験を勉強するのが効率的と思います。
5.試験当日
筆者の試験会場は、東京晴海の'無線従事者の聖地'とも言える「江間忠ビル」でした。(日本無線協会の所在地です。)