手ぬるい資格マニアの存在理由

ストレート合格実績70%の筆者が、資格などを解説します。

再生可能エネルギーの限界

日経がやっと理解した

本日の日経朝刊のきょうのことばに「送配電網」が掲載されました。

従来より日経は、太陽光などの再生可能エネルギーの増加を電力会社が空き容量の不足を理由に拒んでいるという誤った論陣を張っていました。

数年かかって、初めて妥当な認識を報じました。

日経がやっと送電網を理解した模様です。

送電線を半分しか使わない理由

送配電の概要は以下の通りです。

旧来の火力発電所など→①超高圧送電線→変電所→②市中の高圧配電線→工場・事務所

上記の①②を合わせて送配電網と呼びます。

①は高圧線の鉄塔を思い浮かべていただくとわかりやすいです。

下図のように電線は6本セットとなっているのが基本です。

f:id:tegowai_shikaku:20200705094624j:plain

オーム社電験三種受験テキスト電力」P210より引用

縦3本セットで送電していますが、電線一本でも切断や地絡(漏電)・短絡(ショート)が起こると電気が止まり、修繕するまで回復できません。

それに備えて予備の3本を張っておき、事故の場合切り替えます。

ですから、送電線の稼働率はどんなに頑張っても50%が限界です。

 

②については、電柱の一番高いところの電線をみると3本しかありません。

つまり②は二重化されていませんので、不具合が起こると、修繕するまで一帯が停電します。

低稼働を指摘した京大教授

日経の報道を見る限り、最初に半分以上空きがあると非難したのは、京大の先生だったと記憶しています。

京大の先生なら、この事実を知らないはずはないです。

日経は危機に備えた設備の二重化を理解せず、単に空き枠のみに注目したその論調は短絡的でした。

電力の停止は生命にかかわります。

日経を鵜呑みにしないことが必要です。

太陽光発電の問題点

太陽光などの小規模発電には問題があります。

A昼間で晴れ間しか最高(定格)出力がでないので、残りの時間は電線容量を無駄にすること。

Bソーラーパネル設置のため、本来CO2を吸収する樹木を伐採することがあり、本末転倒なこと。

C小規模発電は上記②の配電線に直結されることが多く、電柱と電線を発電場所へ伸延させる必要があり、このコストが電力会社負担となり、ひいては電気料金に転嫁されること。

D火力発電と比べ、発電量が天候に左右され不安定となるので、電力会社の需給調整が厳しくなること。

CO2叩きの危険性

 みずほ銀行は、CO2を理由に石炭火力発電所事業に融資をしないことにしたそうです。

人間は酸素を吸入し二酸化炭素を排出している存在です。

石炭を燃やしたCO2ばかり責められません。

電力の安定を阻害すると、人間の生命の安定を阻害します。

植物や海洋がCO2を吸収する循環に注目し、全体の円滑化を図るべきだと思います。

近視眼的な対応は危険を伴うと思われます。

 

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村

 

 

f:id:tegowai_shikaku:20200705084731j:plain



このブログは、個人の見解であり、筆者が過去に所属した又は所属している団体の見解とは全く関係ありません。