不正防止の三要素
不正のトライアングルとは、診断士試験の教科書にも登場する、米国人の犯罪学者が提唱した不正防止理論です。
動機・機会・正当化の三つが揃った時に不正が起こるので、三要素のうち一つ以上を取り除くことで、防止できるとする理屈です。
米国流の犯罪理論が有難く日本で適用できるのか、筆者は大いに疑問です。
ハリケーンが来たぐらいで、検事が略奪を働いてしまう米国と、津波で街が壊滅しても一列に並んで物資を待つ日本と同じ理論が適用出来る筈がないと直感しています。
不正の三位一体
なぜ要素が3つしかないのかも疑問です。
もっと様々な要素が絡んで悪事を働くのが自然な気がします。
医学の大教授から聞いたところによると、人の死の診断基準は三徴候説(自発呼吸の停止・心停止・瞳孔の散大)と言われ、なぜ三かと問われれば、キリスト教の三位一体から来ているとのこと。
筆者は詳しくありませんが、三位一体とは父なる神・神の子イエス・精霊が一体であり、絶対神を信仰する人々にとっては、絶対に正しいことになっています。
人の死も不正も3が収まりが良いのでしょう。
日本は八百万の神
一方日本では、絶対神は存在せず、あらゆる物に神(キリスト教流に言えば精霊か)が宿り、もしかしたら不正にも宿るかも知れません。
その場その場の空気にも精霊が宿り、力を持ち、空気に流されて動機のない不正が起こり得ます。
空気に従えば、正当化するしないは意味を持たなくなるでしょう。
場の空気にしたがっただけなのですから。
逆に機会があっても、空気がそれを許さない方向にも働く事があります。
以上のように、不正のトライアングルは、日本に於いては適合しないと筆者は考えます。
このブログは、個人の見解であり、筆者が過去に所属した又は所属している団体の見解とは全く関係ありません。