30兆円資金枠設定
今日の日経朝刊に「日銀臨時会合 中小の倒産回避策前倒し」が掲載されました。
この記事を解説していきます。
制度の趣旨
「日銀が新たに始める資金供給策は」「コロナ対応融資を手掛ける金融機関が対象」
→現状民間銀行はリーマンショック時と異なり、資金調達に困っていません。これだけでしたら、金融緩和が膨らむだけで終わります。
「信用保証を付けない」「融資についても1金融機関あたり1千億円を上限に資金供給の対象とする」
→保証協会付きでなければ、貸し倒れリスクを100%銀行が負います。これだけでは、制度利用の動機がないように思います。
「利用残高に応じて日銀当座預金に0.1%のプラス金利をつける」
→これなら、利益に苦しむ金融機関が1000億円借りて、同額を日銀当座預金に預ければ、年1億円もらえます。今回のミソはこれだと思われます。
中小企業に融資されるかは別
「日本公庫などの相談窓口に殺到し、融資の受け付けや実行に支障を来し」
→民間銀行の無利子無担保融資は、全部保証協会に世話になるので、取扱機関が変わるだけです。
「銀行側の人手不足や煩雑な手続きで目詰まりを起こしている」
→銀行ではなくて、結局申し込みは保証協会に集中しているから、そこで込み合っているのが実情だと思われます。
まとめると、今回の制度は金融機関が日銀当座預金利息を貰えるが、中小企業融資が円滑化するかは、信用保証協会にかかっているものと思われます。
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