破綻はしませんが
中小企業の資金繰りの要となっているのは、日本政策金融公庫の特別貸付です。
言うまでもなく、公庫は100%政府出資ですので、不良債権で潰れる心配はありません。
資金調達も財投の予算の範囲内で行われて、融資金の交付は政府の銀行(=日銀)から行われ、資金繰りは無尽蔵です。
しかし、職員がコロナ感染や疲労でダウンしてしまうと中小企業は困窮します。
公庫の職員の方には、そうならないよう頑張って欲しいです。
窓口時間の短縮
現在公庫の窓口は、殺人的に混雑していると推定されます。
ついにと言うべきか、政府の接触削減方針を受けてか、窓口時間を短縮したようです。
民間銀行が、15時でシャッターを下ろすのを横目にみて、頭にきたのかもしれませんね。
(筆者の憶測です)
面談審査のスーパー透視力
日本公庫のホームページによると、借入申込はネット+郵送で出来ますが、審査には面談を必須としています。
面談は審査時間が掛かる要因でもあり、感染リスクも想定されます。
それでもなお、面談するのは面談に審査ノウハウがある為と筆者は見ています。
ベテランの公庫職員ならば、経営者と面談すれば一発で事業実態を見抜くに違いありません。
長年の案件の審査経験と融資結果の積み重ねがもたらす審査の勘が、金融機関の財産だと思います。
政府系金融を含め、金融機関は急ごしらえでは審査能力が備わりません。
新銀行東京が失敗した根本的理由は、これだったと思います。
金融機関は平時から審査能力を蓄積しておかないと、危機時に対応できないと思います。
公庫に断られたら、お仕舞い
資金繰りがひっ迫した中小企業が、公庫に融資を断られたら大変です。
公庫融資は当座の資金繰り対策であり、民間銀行からの協調融資の呼び水ともなるからです。
我々中小企業診断士の役割は、事業の強みを伸ばし弱点をカバーする戦略を整理し、解りやすく金融機関に伝える助言をすることだと思います。
中小企業にとって、公庫だけは逃がしたくない金融機関です。
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