まず論証ブロックとは
法律系資格の論述試験対策で必要なものは論証ブロックなどと呼ばれるものです。
ビジネス実務法務検定1級(筆者未取得)などの法律系の論述では、「~について論ぜよ。」だけの出題で、解答をしなくてはなりません。
事前の準備として、論点ごとにあらかじめストーリーを準備し、暗記しておく必要があります。
このストーリーを一般に論証ブロックと言います。
診断士は2段論法でOK
法律系資格は三段論法での厳密な論証が求められます。
例えば、【大前提】すべての果実は赤い【小前提】リンゴは果実である【結論】リンゴは赤いというような、リンゴは赤いかという論点に対し答えを用意しておきます。
筆者はこれを診断士2次に応用してみました。
診断士記述では、三段論法は必要ありませんし、字数制限から解答欄に収まりません。
ですから、「リンゴだから赤い」程度の因果関係の二段論法で十分です。
名付けて因果性ブロック
因果ブロックでも良かったのですが、因果応報のイメージが漂うので因果性です。
2次は、与件と問題文のキーワードの範囲で解答が書けることが多いのですが、背骨となる因果律を体得しておかないと、出題の意図と全く違った方向に走ってしまいます。
出題の基本は、現に存在する企業の経営実態に基づいていると推定されます。
ですから、世の企業(中小企業を含む)の経営方式をプロトタイプ化して多数準備しておくことが必要です。
因果性ブロック集
例を上げれば次のようになります。
人名(敬称略)は記憶しやすいように付しています。
事実と多少異なるかも知れませんが、試験対策ですのでご容赦ください。
①松下幸之助 旧ソ連の幹部の「私は人民を解放した」に対し「私は婦人を解放した」と答えた→消費者の利便性向上が第一。
②本田宗一郎 得手に帆あげて→弱点をカバーするより強みを伸ばす。
③スティーブ・ジョブズ 消費者は自分の欲しいものを知らない→事業経営は新しい価値を創造することが必要。
④NHK元会長 赤城の山も今宵を限り→引き際が大切。
⑤桃源社元社長 ナポレオンでも無理→外部環境の変化に注意。
⑥孫正義 社債償還2年分の現預金を積んでいる→経営者は大胆にして細心であること。
⑥消費者金融 ご利用は計画的に→借金はしないに越したことはない。
⑦はやぶさ1号開発者 次回はドラマチックにならないようにしたい→死の谷。
⑧下町ロケット 社長やらせてください→従業員のやる気が第一。
⑨スティーブ・ジョブズ 一生砂糖水を売っていたいか。それとも世界を変えたいか→中途採用が手っ取り早い。
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この手のブロックを100~200作っておきます。
公開情報から作成したので、大企業の例が中心となっていますが、筆者は仕事柄独自に入手した中小企業の情報で追加作成しました。
使用方法
試験当日には、与件+問題文+因果性ブロックを選択・混合し解答を作成するイメージです。
当然与件と問題文の制約からはみ出すことはできませんが、背骨の通った一味違う解答を書くことが出来ます。
日々の仕事や今までの人生経験からご自身で作ってみてください。
試験日に書くべきネタが多くて、圧縮するのに苦労するようになれます。
与件のキーワードを散りばめるだけでは、解答は失敗した寄木細工になります。
どのような問題が出題されても、自分の解答の根幹を持ちたいものです。